KIRAKUAN

毎日がとろけるスピード


06
Category: 島発2等   Tags: ---

神々の遊び

蝉も夏の終わりを知っているようで気温は高くても鳴き声が聞こえなくなった。
その蝉が最後のひと鳴きをしている頃。

日が沈んで星が瞬き始めたころ、ふと思い出した。
アレ? 学生の舞台って今日じゃね??
すっかりど忘れしていたワタクシは大慌てで電気も消さずに鍵だけ掛けて駆け付けた。

DSC_4411.jpg


すると暗闇から誰かが呼びかけてくる。
誰かしらと見やると佐渡の郷土芸能界を牛耳るドン だーゆん。
会うなり
「まだ当分学生だから今のうちに店閉めて来い。」
と訳の分からないことをいう。
学生の舞台を観に来たのんになんで学生だから戻んのんさ?

ドンの狙いは舞台ではなく打ち上げで学生の日々の稽古の成果はどうでもいいらしいのだけれど、
その考えをワタクシに強要しようとてそれは通じない。
なぜならワタクシはドンが牛耳る世界に生きてはいない。
ついでに言うのなら関係者でないワタクシに打ち上げは関係ない。
さらに重ねて言うのならドン だーゆん もまた部外者で打ち上げは関係ないはず。
そこを関係者の様にふるまうのが彼の目には見えぬ力なのでしょう。

まだまだ伸びしろのあるフレッシュな舞台。
ひとつ気になったのは笛の音。
どこかで聞いたようでいて聞きなれない、これは何だ?
聞けばかつては佐渡でも主流だったけれど、島内では絶えてしまった森田流とのこと。
もう少し色々聞かせてもらいたいと思ったれど、舞台終了と同時にワタクシは早々に撤収。
ところが主催者陣営Oさんに呼び止められ 宴会に顔出してくれぇ と頼まれた。
ん~、主催者陣営に頼まれては・・・
今からカミさんに夕飯いらないとか言って怒られないだろうか。
という事で、こんな時に役に立つのがドン だーゆん。
ドンに呼びだされたのでちょっと行ってきます。
とカミさんにメール。

ドンだーゆん、ホント頼れる男。



ドンは手下の者を連れていた。
初めまして、とあいさつすると彼はなぜかワタクシを先輩と呼び、
過去に会った事があると言うのだけれどどう考えても初めましてだ。
聞けば金春流の太鼓を習い舞台で一緒したことがあると。
20年以上昔らしい。
そういわれても記憶にないけれど、20年もやってるという事は相当な手練れではあるまいかと確認したら
それはもう素人で習えるものはすべて習い尽し、もう弟子を持ってすそ野を広げるべき御仁であった。
その彼が学生たちの舞台を観て疼いちゃって悶々としちゃった、そのとばっちりがワタクシに。
森田流に興味津々なのに、ちょっとワタシに笛ピロピロしろ的方向。
その圧力は相当なもので、学生たちを集めると船弁慶を謡なさいと。
ワタクシには早笛だけで、舞働は省略しましょう、という事で気が乗らぬままに始まってみれば、のっけから学生ではなく津村プロに平家の亡霊が憑依して海面からドロドロドロンと現れてしまった。
学生たちが謡だせば、今度は中所プロが弁慶かと思ったら義経、舟方と一人三役の立ち回り。

これはヤバい。
神々の遊び。
かなりハイレベルな状況に投げ込まれてしまった。
この流れで行くと省略するはずの舞働がやってくる。
どうだっけ、どうだったっけ、激しく動揺するワタクシは尿だだ漏れ。
二分、せめて二分おさらいさせてくれれば形にするけれどもう始まっているものを止める訳に行かず迫りくる出番。
やるか、いや、中途半端な状態でやると大やけど。
吹き出しの打ち込みが来たけれど興覚めではあったのだけれどパスを選択。

また引く汐に揺られながれ、一目散に逃げる義経一行、壮大なカタルシスがやってくる。

これは・・・ 能バージョンで留めるのかそれとも囃子バーションで留めるのか。
事前の打ち合わせ無しでまた一つ選択を迫られる。
つーか留めの笛ってどうだったっけ(滝汗
しょしねぇ音色に囃子バーションを選択してその場しのぎ。

結局森田流の話すらも聞けず宴会は終了。

ホント体に悪い夜でござった。

森田流聞きたかったな~。























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